先日、2月の行事についての話し合いをしました。
2月は節分行事で恵方巻作り、豆まき、どんど焼きで焼き芋が毎年の定番です。
話し合いの数日前、担当者が相談に来ました。
「今年もどんど焼きを計画していたが、
空気が乾燥していたり、風の強い日が多く どんど焼きを行うのは危ないと思う。
ただ、規模を小さくしては見栄えも悪いし、迫力がなくなる。
中止して浅草寺などで行われている鬼問答をやってみようと考えている。」
という内容でした。
例年私達がやってきた、もしくはやろうとしていたどんど焼きは
庭に正月に作った門松の竹などを組み上げてスタッフの背丈ほどにし、
門松の藁や松、昨年1年間製作した物(壁新聞や七夕飾りなど)を一緒に燃やす、というものでした。
背丈ほどの高さにしてあったので、危ないから中止ということが続いていました。
相談を受け、話し合いをして、
『どんど焼きの風習についてもう一度利用している皆さんに聞いてみよう』
という結論に至りました。
行事を行う目的のひとつに「回想法」というものがあります。
回想法は認知症予防に効果があると言われています。
昔のことを思い出しながら、言葉にして語り合うことで、
高齢者自身は自尊感情を高める等の効果があり、家族や支援者にとっては高齢者の個性、歴史、背景への理解を深め、かけがえのない存在として尊敬の念を抱くことができるようになると言われています。
そんなわけで、
回想法としてどんど焼きを行うなら、見栄えや迫力のことは考えず、
危険がない形で実施出来る方法を考えたらいいのではないか。
一生懸命調べて行き当たったであろう『鬼問答』についても
知らない風習を真似ることにはあまり意味はないのではないか。
いずれにしても、皆さんに聞いて、
より回想法として適切な方法を見つけて実行しよう、ということになりました。
ちなみに調べた所によると、
どんど焼きは1月15日の小正月に行われていて、
正月飾り・注連縄などを家々から持ち寄り、一箇所に積み上げて燃やす神事だそう。
どんど焼きの火にあたると若返る、とか、燃やした後の火であぶった餅やお団子などを食べると1年間健康でいられるなどなど、家内安全、無病息災や五穀豊穣などの願いが込められているそうです。
馬来田の諏訪神社や孫の台地区では節分に合わせて行われているようです。
以前、撮影した
諏訪神社節分祭のどんど焼き。
横に立っている人の背丈の
倍以上まで燃えています。
さて、行事についての話し合い当日。
相談に来た担当者から報告がありました。
「皆さんに、どんど焼きって知ってますか?と尋ねた所、
リアクションのあった方は数名でした。
その中で『年越し』なら知っている、という声があり、
再度『年越し』って知ってますか?と聞いて回ってみた所、
この周辺地区だけでなく、下郡や田川地区の方まで
多くの方がそれなら知ってるよ、とのことでした。」
え???
年越しとか、超初耳なんですけど。
地元在住のスタッフに話を振ると、
「諏訪様や孫の台地区ではどんど焼きで盛大に燃やしているようですけど
うちの地区は年越しって言いますね。
畑に穴を掘って炭火くらいにじわじわと火を燃しておいて
お札やお飾りをくべるんです。」
「私の地区も年越しって言ってますね。
同じ感じで周りで暖まっています。」
・・・
・・・・・・
それを早く言ってよぉ~!!
そんなわけで
今年から2月行事の名称を 年越し に訂正いたします。
これまで、回想法のつもりでどんど焼きとして実施して参りましたこと、お詫びします。
当日は午前中から炭を燃やして、お飾りなどを少しずつくべていき、
最後は焼き芋を作ることになりました。
鬼に焼き芋を持っていかれないように気を付けなくちゃ。
それにしても。
いつも皆さんのお話をじっくりと聞いているつもりだったのに、
こんな大きな行事ですら、的外れだったとは。
反省です。
とにかくまずは皆さんに聞いてみる。
これほど簡単なのに、忘れてしまいがちです。
介護についてもそう。
介護の基本やセオリーが身に付いてくると
つい皆さんの希望やこだわり、生活習慣に耳や心を傾けることを忘れがち。
大事なことを見つめ直すことが出来た、どんど焼き騒動でした。
どんど焼き改め「年越し」は2月2日、3日実施予定です。
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